新人研修 講師用 進行台本

60分 × 2回 / 全7章  ·  配布資料「新人研修 配布資料」と併用する

この台本の使い方

全体設計

回章時間宿題
1回目第1〜4章60分演習 1-1 / 2-1 / 3-1 / 4-1 / 4-2 / 4-3(6問)
2回目第5〜7章60分演習 5-1 / 5-2 / 6-1〜6-4 / 7-1 / 7-2(7問)
注意

演習6-5は実データ未取得のため出さない。データが揃った時点で別途実施する。

事前準備

SESSION 11回目 第1〜4章(60分)

到達させたいこと:自分がどの会社の、どの部門の、どんな仕事を持つのかを説明できる。

節 時間 累計 ──────────────────────────────────────────── 導入 5分 5分 第1章 会社は何者か 5分 10分 第2章 どう価値を出し収益化するか 10分 20分 第3章 組織の役割分担 10分 30分 第4章 マーケの担当範囲 25分 55分 締め・宿題提示 5分 60分

導入 5分

話すこと

この研修は2回に分けて、全7章をやる。今日は第1〜4章。

狙いは1つ。自分の仕事が何につながっているかを理解したうえで、業務を改善できる状態になること。

順番には理由がある。会社を知り、事業を知り、組織を知り、そのうえで自分の担当範囲を知る。ここまでが今日。次回は日々の業務と、業務の考え方をやる。

次回の第6章がこの研修で一番重要な章になる。改善の考え方をそこで渡す。ただし、何をやっているか分からないまま改善の話をしても意味がない。だから今日が先にある。

演習は各章にある。今日は説明を優先するので、演習は宿題として持ち帰ってもらう。次回の冒頭で答え合わせをする。

動作

資料を開かせる。第1章まで進める。

第1章 会社は何者か 5分

話すこと

会社は就活・転職の支援をする会社。 対象は3者で、新卒求職者・中途求職者・採用企業。

まずこの一言が言えるようにする。

グループ会社は4社ある。母体のフルベットグループは経営管理のみ。中小企業のチカラはタレントをサブスクで使えるサービス。プロの副業はフリーランスと企業のマッチング。フルベットマネジメントは組織コンサル的に文化浸透を担う。

自社サービスは5つ。人材紹介、イベント、逆求人、YouTube番組、採用コンサルティング。中身は次章で扱う。

マーケ部は就活生を集客する部門。 各サービスへ就活生を集め、人材紹介・イベント・逆求人・YouTube番組の利用につなげる。

ここが自分たちの立ち位置になる。

動作

グループ会社は表を指しながら。1社ずつ深追いしない。

時間が押したら

グループ会社4社の説明を「4社あって、それぞれ別領域を持っている。詳細は資料」に圧縮する。

第2章 どう価値を出し収益化するか 10分

話すこと

なぜ集客が仕事になるのか。ここを押さえる章。

全体の構造はこうなっている。

就活生 ──→ 各サービス ──→ 企業との接点・採用成功 ──→ 企業からの対価 ──→ 事業継続 ↑ マーケ部が集客
動作

この図を必ず見せる。2章の中心はこれ。

話すこと

就活生が集まるから、企業に価値を出せる。企業が価値を受け取るから、対価を払う。だから事業が続く。マーケ部の集客は、この一番手前にある。

5つの事業それぞれで、誰が何を出して何を受け取るかが決まっている。

  • 人材紹介: 就活生に就活支援、企業に人材。入社で成功報酬
  • イベント: 就活生に企業との接点、企業に母集団
  • 逆求人: 就活生にオファー、企業に直接アプローチ手段
  • YouTube番組: 就活生に情報と内定機会、企業に露出
  • 採用コンサル: 企業の採用課題を解決

共通しているのは、就活生が先にいないと成立しないこと。 どの事業も、就活生の母集団があって初めて企業に価値を出せる。

だから集客が止まると、全事業が止まる。

押さえるポイント

「集客はマーケの仕事」で終わらせない。集客が全事業の前提条件になっているという接続まで言う。

時間が押したら

5事業のうち人材紹介とイベントの2つだけ具体的に説明し、残り3つは「同じ構造で、就活生が先にいないと成立しない」とまとめる。

第3章 組織の役割分担 10分

話すこと

会社には2本の流れがある。学生側と法人側。

【学生側】 マーケ ──→ DM ──→ CA ──→ 入社 (集客) (営業) (面談) 【法人側】 IS ──→ FS ──→ CS ──→ 採用 (商談設定)(契約)(サポート)
話すこと

マーケが集客し、DMが集まった個人情報に営業をかけ、CAが面談して入社まで持っていく。

法人側は、ISが商談を設定し、FSが商談して契約につなげ、CSが契約後をサポートして採用まで持っていく。

この2本は最後で合流する。 学生側で集めた就活生が、法人側で契約した企業に採用される。そこで企業が対価を払う。第2章の構造がここにつながる。

自分たちマーケは、学生側の一番手前にいる。自分が渡した個人情報が、DM・CAを通って入社まで行く。

押さえるポイント
  • 6部門の名前と役割が言えること
  • 「合流する」構造が理解できていること
  • 個人情報を渡した後にDMが電話する、という接続(第4章の着地点につながる)
時間が押したら

部門ごとの役割表は読み上げず、2本の図だけ見せて「詳細は資料の表」に回す。

第4章 マーケの担当範囲 25分

今日の中心。時間を最も使う。

4-0 全体像 5分

話すこと

マーケ部が持っている仕事は、大きく2つに分かれる。集客チャネルと付随業務。

マーケ部 │ ├─ 集客チャネル │ ├─ SEO ................ 稼働中 │ ├─ 広告運用 ............ 稼働中 │ ├─ SNS運用 ............. 停止中(再開予定あり) │ └─ サービスHP .......... 人材紹介のみ稼働 │ └─ 付随業務 ├─ LP構築 ├─ Webコンテンツ作成 ├─ データ基盤の構築 ├─ 集計作業 ├─ BI・データ分析システム構築 └─ システム自体の構築
動作

この図を出しっぱなしにして第4章を進める。

話すこと

チャネルは4つあるが、今フル稼働しているのはSEOと広告運用の2つ。 SNS運用はアカウントはあるが止まっている。再開予定はある。サービスHPは人材紹介のものだけ動いている。他サービスのHPも持ちたいが手が回っていない。

付随業務6項目は、マーケ部が持っている仕事として一覧で示すに留める。LPも作るし、コンテンツも作るし、データ基盤もBIもシステムも自分たちで作る。 Webマーケをやるにあたって必要なことは基本的に全部やる、という部門だと理解してほしい。

各業務の手順は、この研修では扱わない。別途、業務手順書として作る。

動作

稼働状況は正直に伝える。「全部動いている」と誤解させない。

全チャネル共通の着地点

どのチャネルも、個人情報を取得したあとはDMが電話し、サービス利用へつなげる。最終KPIは個人情報登録数。

ここは強調する。4チャネルの説明がバラバラに聞こえないための軸になる。

4-1 SEO 8分

話すこと

主な対象は大学3・4年生。

考え方として、集めたい就活生像を先に固定しない。 検索テーマをサービスへの近さで4段階に分けて、それぞれがどうサービス利用につながるかを見る。

段階状態実例
1サービス名を知っているジョブコミット
2就活支援サービスに興味がある就活エージェント
3就活に困っている自己分析、自己PR
4就活と関係ないものを調べるキャラクターコード、ラブタイプ
話すこと

段階1は既に自社を探している人。段階4はまだ就活の話ですらない。遠いテーマでも接点を作れば、後で就活につなげられる。 だから幅広く記事を持つ。

診断コンテンツ(キャラクターコード、ラブタイプ)は入口が2つある。診断名で直接検索して来るパターンと、記事を読んでいる途中に広告として出るパターン。集客の入口でもあり、記事内の導線パーツでもある。

動作

診断コンテンツの2つの入口は分かりにくいので必ず補足する。

記事に来訪 → 広告をクリック → LPを見る → 登録する → DMが電話 → サービス利用
話すこと

見る数値は、PV、UU、広告クリック数、LINE追加数、個人情報登録数、そして登録者の年齢・学年。大学3・4年生かどうかまで見る。 数が集まっても対象がずれていたら意味がないため。

KPIは個人情報登録数。月間目標は固定していない。 時期と施策に応じて設定する。

やっている業務は22項目ある。企画・設計、制作、記事内の導線、改善・保守、技術面、数値。

動作

22項目の一覧は読み上げない。「資料に22項目ある。ざっと見ておいて」で留める。

4-2 広告運用 7分

話すこと

媒体は4つ。Instagram、LINE、X、TikTok。

導線は2パターンある。

パターン1: 広告 → LP → 登録 パターン2: 広告 → インスタントフォーム → 登録
話すこと

インスタントフォームは、各広告プラットフォームが用意している登録フォーム。LPを挟まず媒体上で登録が完結する。

段階はこう分解する。

Imp → クリック → 結果 → 個人情報 → 学年
話すこと

Impは広告が表示された回数。ここが計測できる一番大きな数字になる。

加えて費用面も全部見る。 SEOと違って広告は金を使う。かけた費用に対して何件取れたか、1件あたりいくらか(CPA)を必ず見る。

やっている業務は23項目。戦略・設計、クリエイティブ、入稿・運用、計測、改善、数値・報告、媒体折衝・請求。

動作

SEOとの違いとして費用面を強調する。23項目の一覧は資料参照。

4-3 SNS運用・サービスHP 3分

話すこと

SNS運用は現在停止中 停止中。アカウント自体は保有しているが、運用していない。再開の予定はある。

サービスHPは人材紹介のHPだけが稼働している 人材紹介のみ。他サービスのHPも持ちたいが、手が回っていない。

導線はシンプル。

HP → 個人情報登録 → DMが電話
話すこと

見る数値はSEOと同じ。

この2つは、今後の課題として残っている領域だと理解してほしい。

動作

「やっていない」を曖昧にしない。引き継ぐ側が誤解する。

4-4 まとめ 2分

話すこと

第4章で押さえるのは3つ。

  1. マーケ部は集客チャネル4つと付随業務6項目を持つ
  2. 稼働しているのはSEOと広告運用。SNSは停止中、サービスHPは人材紹介のみ
  3. どのチャネルも着地点は同じ。個人情報を取って、DMが電話する

この章は「何をやるか」の説明。 いつやるかは次回の第5章、どう良くするかは第6章でやる。

締め・宿題提示 5分

話すこと

今日は会社・事業・組織・担当範囲までを扱った。

次回は日々の業務、業務の考え方、用語をやる。特に第6章の「業務の考え方」がこの研修で一番重要な章になる。 目的・因数分解・比較・PDCAの4つを扱う。

宿題を出す。資料の演習6問。

演習内容
1-1会社とグループ各社の価値提供、マーケ部の役割を自分の言葉で説明
2-15事業から1つ選び、価値交換を説明
3-1学生側・法人側の2本の流れを図に書いて説明
4-1マーケの集客チャネルと稼働状況
4-24チャネルの導線と共通の着地点
4-3診断コンテンツが持つ2つの入口
必ず伝える

資料には回答例が載っている。先に見ずに、自分で書いてから答え合わせをすること。 書けなかった箇所が、次回に質問すべき箇所になる。

次回の冒頭10分で、書いた内容をすり合わせる。

動作

質問を受ける。時間があれば第4章の未確定部分について受講者の認識を聞く。

SESSION 22回目 第5〜7章(60分)

到達させたいこと:仕事は「データ確認 → 問題点 → 解決策 → 実装」の四段を回すことだと理解し、その四段を自分の担当業務に対して実際に回せる。

節 時間 累計 ────────────────────────────────────── 宿題確認 7分 7分 冒頭 位置づけと仕事の型 5分 12分 第5章 どう回すか 29分 41分 第6章 なぜその順番か 10分 51分 総まとめ 4分 55分 第7章 使用用語 3分 58分 締め・宿題提示 2分 60分 うち練習問題が12分(6問 × 2分)。ここが最も溢れやすい。
前回から構成が変わっている

第5章が「実際にどう回すか」で最大(29分)、第6章が「なぜその順番か」で短い(10分)。手を動かす話を先に、理由を後に置いている。

宿題確認 7分

進め方

全問を解説しない。書けなかった箇所を拾うことに使う。

  1. 「6問のうち、書けなかった・自信がないものはどれか」を先に聞く(1分)
  2. 挙がった演習だけ解説する(4分)
  3. 挙がらなければ 3-1(2本の流れ)と 4-2(4チャネルの導線と着地点)を確認する(4分)
  4. そのまま今日の位置づけへ入る(2分)

冒頭 位置づけと仕事の型 5分

話すこと(今日の位置づけ・1分)

前回は「何をやるか」までだった。今日は「どう回すか」と「なぜその順番か」をやる。

先に第5章で実際の回し方を見て、第6章でその順番の理由をやる。手順だけ覚えても、六章がずれていると全部ずれる。

話すこと(仕事の基本的な流れ・4分)

どの業務も、四つの形をしている。

一 データを確認する → 二 問題点を探す → 三 解決策を考える → 四 実装する │ (別のタイミングで)また一に戻る
  • 一 データを確認する — 数字を見る
  • 二 問題点を探す — どこが低いかを特定する
  • 三 解決策を考える — 打ち手を一つ決める
  • 四 実装する — 実際に手を動かす

四まで行ったら終わりではない。別のタイミングで、また一に戻る。

必ず先に説明する(ここは確実に聞かれる)

「一と、実装した後に結果を見るのは同じでは」と思うかもしれない。同じ場所に戻るが、見る目が違う。

  • 初回の一は、現状の把握。何も打っていない状態を見る
  • 二周目からの一は、前に打った手が効いたかの判定。仮説を持って見る

一は一周ごとに中身が変わる。 ここが今日いちばん重要な感覚。

削ってはいけない

押したら位置づけを30秒に圧縮する。四段の図は削らない。 今日の全ページがこの図に紐づいている。

第5章 どう回すか 29分

第5章は「四段を実際に回すと、何をやることになるのか」を扱う。

5-0 毎日やることは四段のどこか 3分

話すこと

毎日やることは4項目ある。全チャネル横断の数値集計 / 全体レポートの作成 / BI・ダッシュボードの更新・保守 / メンバーへの指示・進捗確認。

これを四段に当てはめる。

  • 一(データを確認する)= 自分でやる。 数値集計、レポート、BI更新
  • 二〜四 = メンバーへの指示・進捗確認を通じて回す。 数字を見て、どこが低いかを伝え、何を打つかを決め、動いてもらう

指示を出したあと、進捗を確認するところまでが一続き。 そして翌日また一に戻り、前日の指示が効いたかをそこで見る。

第5章の核。必ず接続を説明する
  • 集計だけして指示を出さなければ、一で止まっている
  • 数字を見ずに指示を出せば、一を飛ばして四に跳んでいる

5-1 頻度 2分

話すこと

同じ四段が、三つの速さで回っている。

頻度何をやるか一周の速さ
毎日数値集計 / レポート / BI更新 / メンバーへの指示一日で一周。いちばん速い
毎週部内定例MTG / 経営層への報告 / DM部門との連携 / 他部門とのやり取り / 採用活動一週間分をまとめて見る。他者とのやり取りが中心
毎月月次・四半期の目標設定ここで決めた目標が、日次・週次の「一」で見る基準になる

日次・週次・月次は別の仕事ではない。同じ四段を、見る範囲と周期を変えて回しているだけ。

不定期は輪に乗らない

データ基盤保守、育成、外注管理、施策企画、予算管理、依頼対応、突発対応、ツール管理、新システム構築。

これらはこの輪には乗らない。発生するタイミングを自分で決められないから。 他部門からの依頼は相手の都合で来る。

予定に組み込めない前提で、日次の輪に割り込みが入るものとして時間を空けておく。

5-2 数字の区切り方 3分

話すこと

一(データを確認する)を実際にやるには、数字を区切る必要がある。

計測できる最大の母数から、目標数字まで。 その間を、数字が取れる場所で区切る。

SEO 記事訪問者 → クリックした人 → LP到達者 → 登録した人(同じ対象を人数で追う。PVは別の参考指標) 広告運用 Imp → クリック → 結果 → 個人情報
重要な原則

分解自体は自由にできる。ただし数字が取れない段階を置いても意味がない。

入れてはいけない段階

例:「記事を読んでいる途中でスクロールを止めた学生」

行動としては起きている。でも計測できない。 段階として置くことはできるが、歩留まりが出せないので分析できない。

分解の目的は「細かく分けること」ではなく、「どこが問題かを数字で特定すること」。

5-3 横の比較 2分

話すこと

歩留まり = 次の段階の数 ÷ 前の段階の数。 同じ集計単位でそろえる。

同じ時点で、全区間の歩留まりを並べる。 各区間を過去や目標と比べ、問題のある区間を探す。増やせる登録数と改善の手間も見て、打つ場所を決める。

5-4 練習問題 一〜三 6分

進め方

1問につき2分。問題ページで一度止めて、30秒考えさせてから答えのページへ進む。 答えを先に見せない。

時間が最も溢れやすいのがここ。1問2分を厳守する。議論が伸びたら打ち切って先へ進む。

一問目 どこに打つか(2分)

記事訪問者80,000人 / クリックした人4,000人 / LP到達者3,600人 / 登録した人360人。同じ対象を人数で追った架空の例。過去・目標の数値は未提示。

答え:この数字だけでは、打つ場所は決められない。 歩留まりは 訪問→クリック 5% / クリック→LP 90% / LP→登録 10%。

段階が違えば率の水準も違う。過去・目標との差、増やせる登録数、改善の手間を追加確認して優先順位を決める。

二問目 どちらに打つか(2分)

経路A:LP閲覧 20,000 → 登録 1,600(8%)/ 経路B:LP閲覧 50 → 登録 1(2%)。

答え:経路A(8%のほう)。

  • Bは母数が50件しかない。2%が4%に倍増しても、増えるのは1件。 1件と2件の差は偶然でも動く。効いたかを判定できない
  • Aは母数が20,000件。8%が9%になるだけで200件増える。 数字が動けば判定もできる
二問目の狙い

率だけを見ない。歩留まりが低い区間を選ぶときは、母数も一緒に見る。

三問目 この分解、どこがおかしいか(2分)

記事訪問者 → 記事を最後まで読んだ人 → 広告クリック → LP閲覧 → 個人情報登録。

答え:「記事を最後まで読んだ人」。 行動としては起きているが数字が取れない。歩留まりが出せないので、そこが低いのかどうかを判定できない。

その段階を外し、計測できる段階だけで並べ直す。

5-5 縦の比較 2分

話すこと

同じ区間(例:UU → クリック)を、前回と比べる。 先週3%が今週5%なら改善した。

両方いることを必ず言う
  • 横だけでは、打った後の判定ができない
  • 縦だけでは、どこに打つか決められない
注意:数字は嘘をつく

元データが間違っていても計算はできてしまう。比較する前に、元の数字が正しいかを確認する。

5-6 練習問題 四〜六 6分

進め方

縦の比較の落とし穴を3つ。ここも1問ずつ止める。1問2分。

四問目 効いたと言えるか(2分)

バナーの画像を差し替え、同時に配信先の媒体も増やした。 5% → 7% に改善。

答え:言えない。二つ同時に打っている。

どちらが効いたのか分からない。むしろ片方が悪化していて、もう片方が打ち消している可能性もある。一度に打つのは一つだけ。 一つずつ変えると原因を絞りやすい。ただし、曜日・期間・流入元などの比較条件も確認する。

五問目 この報告、受け取ってよいか(2分)

「LPを改修して、登録率が8%から15%に上がりました」
改修前:LP閲覧 20,000 → 登録 1,600(8%)/ 改修後:LP閲覧 4,000 → 登録 600(15%)。

答え:率は上がったが登録数は1,600件から600件へ減った。全体の成功とはまだ言えず、LP改修の効果は追加確認が必要。

LP閲覧が20,000から4,000へ激減している。流入元や利用者の構成が変わった可能性もあり、率が上がった理由はこの数字だけでは分からない。

改修した区間だけでなくその前の区間も一緒に見る。 期間・流入量・流入元・計測を確認する。流入が減った原因や、LP改修の効果はまだ判断できない。率と実数を両方見る。

六問目 この比較、何がまずいか(2分)

金曜に施策を打ち、木金(5%)と土日(3%)を比べて「失敗」と判定した。

答え:比べている条件が違う。 平日と土日を比べている。就活生の動きは曜日で変わる。施策を打たなくても土日は下がっていたかもしれない。

同じ条件どうしで比べる。先週の土日と今週の土日、あるいは平日どうし。曜日・季節・キャンペーンの有無など、数字が動く要因をそろえる。

5-7 数字が見える時間と、見えない時間 2分

話すこと
  • 日次(集計ベース) — 集計は更新が必要なので1日1回しか把握できない。そのタイミングで、日々のペースが目標に対してどうかを見る
  • 日中(体感・通知ベース) — 集計が更新されず、数字では分からない。体感か通知で確認する

日中に「数字が見られない時間帯」が必ずあることを前提に組み立てる。

5-8 問い レポートにまだ数字がない 2分

動作:問いのページで止めて、実際に答えさせる

「昼に『今日は登録が少ない気がする』と感じた。でも集計レポートは朝の更新分しかなく、今日の数字はまだ入っていない。どこを見るか。」

やってはいけないのは、明日レポートが更新されるまで待つこと。一日分の判断が丸ごと遅れる。

答え:見る場所は対象によって変わる
対象見る場所
共通トークノートへの通知 — 登録が入ると自動で流れる。件数の増減が最初に体感で分かる
広告各広告媒体の管理画面 — 当日の Imp・クリック・結果がリアルタイムに近い形で出ている
サイト・LPGA4 — 当日のセッション・流入元を直接見る
SEO・順位実際に検索して確かめる — 順位が落ちていないかは自分で検索するのが早い

集計を待たない。対象ごとに、数字が最初に出る場所を知っておく。どこを見ればいいか分からない状態が、一番時間を失う。

5-9 判定のタイミング 広告運用の場合 1分

話すこと
1. 登録が来たら通知とカウントが自動で鳴る状態にしておく ↓ 2. 「全体の数が少ない」「自分の広告の通知が少ない」と感じたタイミングで 現状の数字と歩留まりを確認し、何が問題かを特定する ↓ 3. 施策につなげる ↓ 4. 通知が来るかを待つ ↓ 5. 半日待って数字が来ていなければ、同じフローをもう一度回す
誤解させない

固定の時間はない。 この事例は半日だが、対象が変わればタイミングも変わる。

時間が押したら

練習問題を6問から3問に減らす(二問目・五問目・六問目を残す)。この3問が落とし穴として一番効く。

さらに押したら 5-1 の頻度表と 5-9 を資料参照に回す。

削ってはいけないもの

5-0 の四段への当てはめ / 5-2 の区切りの原則 / 5-3 横の比較 / 5-5 縦の比較 / 5-8 の答えの表

第6章 なぜその順番か 10分

前回と役割が変わっている

五章が「どう回すか」なら、この章は「なぜその順番なのか」。 手順を覚えても、ここがずれていると全部ずれる。ここは考え方だけを短くやる。

6-0 位置づけ 2分

話すこと

四つある。目的 → 因数分解 → 比較 → PDCA。 順番につながっている。

第6章冒頭の四段
目的四段に入る前の前提
因数分解一・データを確認する
比較二・問題点を探す
PDCA三・解決策 → 四・実装、そしてまた一へ

順番が大事。目的がずれると、因数分解も比較もPDCAも全部ずれる。

6-1 目的 4分

話すこと

考えることは二つだけ。

  1. なんでそれをやるのか
  2. 達成したときに見えるゴールは何なのか

これはスキルではない。業務に入る前の最低条件。 業務をするなら、この二つを考える。

考えずに手を動かしている状態は、業務をしているとは言わない。

例 — 記事の執筆
  • なんでやるのか:検索から就活生を集めるため。記事がないと検索に出ないので、集客の入口が作れない
  • 達成したら何が見えるか:記事に来た就活生が広告をクリックし、LPで登録する。その個人情報にDMが電話し、サービスを利用してもらう。最終的にはその学生が入社を決めて、企業が成功報酬を払い、事業が続く
押さえるポイント

記事を書くこと自体はゴールではない。 記事は登録につながる入口で、登録は売上につながっている。

6-2 PDCA 2分

話すこと

P(過去・目標との差から改善する区間を一つ選び、打てる改善策を洗い出し、原因仮説に最も合う一つを選ぶ)→ D(一つだけ実行)→ C(改善前後で歩留まりと目標数字を比較)→ A(改善していれば残す。していなければ別の仮説。次の改善対象を選ぶ)。

守ること(2つ)
  1. 改善場所を固定しない。 毎回同じ場所を直すのではない
  2. 一度に一つだけ打つ。 複数変えると、どれが効いたか判定できない

6-3 まとめと例外 2分

第6章を1本で言うと

目的を決める → 数字が取れる場所で分解する → 過去・目標と比べて改善対象を選ぶ → そこに一つだけ打つ → 前後で比べて判定する。

例外 ペースが間に合っていないとき

必ず「例外」と明示してから言う。

やること得るもの
通常時一つだけ打って、判定する後々のための一手。何が効いたか分かり、再現できる
ペースが間に合っていないとき考えられることを、全部やる今の結果を取りにいく

数字のペースが間に合っていないときは、何が効いたかは後で分からなくなる。それでも構わない。今月の数字を落とさないことが優先。

切り替える基準は「目標に対して、残り期間で届くペースかどうか」。感覚ではなく、必ず数字で判断する。

必ず釘を刺す

常にこれをやると、何も分からないまま打ち続けることになる。 通常はPDCA。ペースが間に合っていないと数字で判断できたときだけ切り替える。

時間が押したら

6-2 のPDCAの図は資料参照に回し、「守ること二つ」だけ言う。

削ってはいけないもの

6-1 の目的2問 / 一度に一つだけ打つ / 例外の切り替え基準

総まとめ 4分

動作

三枚。ここに全七章の中身が入っている。「分からなくなったらここに戻れ」と言う。

まとめ一 仕事の型(1.5分)

仕事の型は四段の繰り返し。一は一周ごとに中身が変わる。日次・週次・月次は別の仕事ではない。

四段に入る前に目的を決める。 不定期業務は輪に乗らないので、割り込みが入る前提で時間を空けておく。

まとめ二 数字の扱い(1.5分)
押さえること
区切る計測できる最大の母数から目標数字まで、数字が取れる場所で区切る
横に比べる全区間を並べ、過去や目標との差から問題のある区間を探す。ただし母数も見る
縦に比べる同じ区間を前後で比べる。条件をそろえる
間違えない率と実数を両方見る。 元データが正しいかを先に確認する
まとめ三 打ち方と判定(1分)

一つだけ打つ / 打ったら必ず判定する / 集計を待たず一次ソースを見る / 例外は数字で判断して切り替える。

到達目標

目的を決める → 分解する → 過去・目標と比べて改善対象を選ぶ → 一つだけ打つ → 前後で比べて判定する。これが自分の担当業務に対してできれば、この研修の目的は達成される。

第7章 使用用語 3分

話すこと

全部読み上げない。社内用語と一般用語の区別だけを確実に伝える。

学生側の段階(組数 → 済数 → ... → 入社数)は表で確認する。

重要なのは、社内でしか通じない用語があること。社外や他部門とのやり取りでそのまま使うと通じない。

動作

演習7問は宿題として提示するに留める。

時間が押したら

全面的に資料参照に回す。「社内用語と一般用語がある」という事実だけを伝えて次へ進む。

締め・宿題提示 2分

話すこと

2回で全7章を扱った。

一番重要なのは、仕事は四段の繰り返しだということ。 そして四段に入る前に目的を決めること。

演習内容
5-1毎日やること4項目が、四段のどこに当たるか
5-2「他部門からの依頼対応」が輪に乗らない理由
6-1自分の担当業務すべてについて、目的2問に答える
6-2計測できない段階を分解に入れるべきか
6-3横の比較と縦の比較は何を決めるために使うか
6-4一度に一つだけ打つ理由と、その例外
7-1組数と済数の違い
7-2FTRを社外で使うとどうなるか
必ず伝える

特に6-1は必ずやること。 自分の担当業務を全部並べて、なんでやるのか・達成したら何が見えるのかに答える。答えられない業務があれば、そこが最初に埋める箇所になる。

次のステップとして伝えること
  • この資料に各業務の具体的な手順は入っていない。 別途、業務手順書として作る
  • 資料の付録に未確定事項が一覧である。分からないことが出たらそこを確認する
  • 実データを使った演習は、データが揃った時点で別途実施する
動作

質問を受ける。練習問題で詰まった箇所を優先する。

付録:時間が押したときの削り順

押した場合、以下の順で削る。上から削る。

1回目

  1. 第1章のグループ会社4社の個別説明 → 「4社ある。詳細は資料」
  2. 第2章の5事業 → 人材紹介・イベントの2つのみ具体化
  3. 第3章の部門役割表 → 2本の図のみ
  4. 第4章 SNS運用・サービスHP → 「停止中」「人材紹介のみ」の事実だけ
削ってはいけないもの

第2章の全体構造図 / 第4章の担当範囲の全体像 / 全チャネル共通の着地点

2回目

  1. 第7章 → 全面的に資料参照。「社内用語と一般用語がある」の事実だけ
  2. 5-9 判定のタイミング(広告運用の事例)→ 資料参照
  3. 5-1 頻度表 → 「同じ四段が三つの速さで回っている」の一言のみ
  4. 練習問題を6問 → 3問に減らす(二問目・五問目・六問目を残す)
  5. 6-2 PDCAの図 → 資料参照。「守ること二つ」だけ
  6. 宿題確認 → 5分に圧縮
削ってはいけないもの
  • 冒頭の四段の図(今日の全ページがこれに紐づく)
  • 5-0 毎日やることの四段への当てはめ
  • 5-2 区切りの原則(数字が取れない段階を入れない)
  • 5-3 横の比較 / 5-5 縦の比較(両方いること)
  • 5-8 の答えの表(対象ごとにどこを見るか)
  • 6-1 目的の2問
  • 一度に一つだけ打つ / その例外と切り替え基準
  • 総まとめ3枚
練習問題を残す優先順位

二問目(母数)> 五問目(率と実数)> 六問目(条件をそろえる)> 一問目 > 四問目 > 三問目

一問目と三問目は本編で同じ内容を扱っているので、削っても穴が空かない。

総まとめ3枚は最後に必ず投影する。時間が無ければまとめ二・三の表を指して「ここに全部ある」と言うだけでよい。

付録:想定される質問

質問答え方
SNSはいつ再開するのか再開予定はあるが時期・担当は未確定。資料の付録に未確定事項として記載
月間目標はいくつか固定していない。時期と施策に応じて設定する
22項目・23項目を全部覚えるのか覚える必要はない。マーケ部が持っている仕事の範囲を把握するための一覧
半日で判定するのがルールか違う。あれは広告運用の事例。対象が変わればタイミングも変わる
手順はどこにあるかこの資料には無い。別途、業務手順書として作る
数字はどこで見るか対象による。通知(トークノート)/ 広告は管理画面 / サイト・LPはGA4 / 順位は実際に検索する
「データを確認する」と「結果を見る」は同じでは同じ場所に戻るが見る目が違う。初回は現状把握、二周目からは前に打った手が効いたかの判定
第6章の4つと冒頭の四段は別物か別物ではない。目的は四段の前提、因数分解は一、比較は二、PDCAは三〜四。6-0 の対応表で示す
全部やる(例外)はいつ使うのか目標に対して残り期間で届かないと数字で判断できたときだけ。感覚で使わない。常用すると何も分からなくなる
母数が小さい区間は放置してよいのか打っても効果を判定できないので優先度は下がる。ただし母数そのものを増やす施策は別の話