オンボーディング設計案
NT / NF 向けに、最低限から理想までをどう埋めるか / 3案の比較
1. 埋めたい空白
最低限は既に埋まっている。研修資料 全7章が担当している。埋まっていないのは、そこから理想へ向かう部分。
2. なぜ今の資料では届かないか
資料の完成度が高いほど、NTは離脱する。
NTの自尊心が上がるのは「誰も解けなかった問題を、原理から解いたとき」。全部答えが書いてある資料には、その機会が無い。
3. NTの自走が起きる条件
NTの自走は「指示待ちをやめる」ことではない。
解くべき問題を自分で見つけた瞬間に、勝手に始まる。
NTとNFは Keirsey の2軸で同じ「抽象」象限にある。構造は共通で、why の中身だけが違う。だから1つの資料に両方書ける。
4. 3つの案
空白を埋める候補。それぞれ渡すものが違う。
同じ業務について書いても、渡す対象が違うと読み手の動き方が変わる。
1
原理を渡す
手順書を作らず、判断の原理を書く
NTに効く原理を持つと、想定外のケースでも自分で判断できる。手順書は想定内しかカバーしない
NFに効く「なぜそうするか」に人の理解プロセスが入る。相手の側から考える形になる
リスク引き継ぎとしては危険。原理だけでは初日に何をすればいいか分からず、最低限(S2)に到達できない
2
未解決を渡す
資料を完成させず、解けていない問題を明示的に残す
NTに効く「これは誰も解けていない」で火がつく。最初に解く人になれる
NFに効く未解決の問題に「誰が困っているか」を添えると、意味が立つ
リスク未解決が多すぎると引き継ぎ資料として成立しない。解けている部分との比率が要る
3
判断記録を渡す
手順でも原理でもなく、過去に何をどう判断したかの記録
NTに効く判断の材料と結論がセットで見える。原理を自分で抽出できる。「自分ならこう判断する」と対話できる
NFに効く判断した人の思考が見える。人格が入っている文書になる
リスク過去の判断が思い出せないと書けない。書く側の負荷が最も高い
5. 3案の比較
| 案 | 最低限(S2)に届く | 理想(S5)に届く | 作る負荷 |
|---|---|---|---|
| 案1 原理 | × | ○ | 中 |
| 案2 未解決 | △ | ◎ | 低 |
| 案3 判断記録 | △ | ○ | 高 |
単独で両方に届く案は無い。
最低限は事実が要り、理想は未解決が要る。性質が逆だから。
6. 推奨する組み合わせ
研修資料を土台として据え置き、その上に案2と案3を乗せる。既存資料は書き換えない。
案1(原理)を独立させない理由
原理を書いて渡すと「答えを渡された」状態になりNTの興味が落ちる。判断記録なら読み手が自分で原理を作る余地が残る。
7. 決めること
この案で進めるかどうかの分岐点は1つ。
案3(判断記録)が現実的か
案2(未解決)は既に8件あり、追加の負荷が低い。問題は案3で、過去の判断を思い出して書く必要がある。
思い出せる範囲が狭ければ、案2だけで進めることもできる。ただしその場合、原理を自分で抽出する材料が無くなるので、理想への到達が未解決課題頼みになる。
選択肢
| 選択 | 内容 | 負荷 |
|---|---|---|
| 案2+案3 | 推奨。未解決の問題と判断記録を両方作る | 高 |
| 案2のみ | 未解決の問題だけ。判断記録は書かない | 低 |
| 案2+案3を段階的に | 案2を先に作り、判断記録は思い出せたものから足していく | 中 |
補足:どの案でも既存資料は触らない
研修資料 全7章は最低限を担当する土台として、書き換えずに据え置く。新しく作るものは、その上に乗せる別資料になる。