第 三 回
根本の考え方を、もう一度
今 日 の 位 置 づ け
七十八個の業務を覚える必要はない。形は三つしかなく、どの業務もそのどこかを担当しているだけ。形が分かれば、資料に載っていない業務も置き場所が分かる。
一・二回目を否定するものではない。あの内容がどういう構造の上に乗っていたかを、後から言語化したもの。
は じ め に
今日の話は、全部これが土台になっている
定 義
標準がないと、変えた結果が良くなったのか悪くなったのか分からない。
二 つ の 標 準
目標CPA
「一件いくらまでなら妥当か」。これがないと、実績を見ても高いか安いか判定できない。
今日の第二部でやる。予算 ÷ 目標登録数で、毎月計算し直す。
業務標準書
「今のところ、このやり方が一番良い」。これがないと、人によってやり方が変わり、結果もばらつく。
今日の第三部でやる。手順と、その理由がセットで書いてある。
どちらも「比べる相手」を用意するためのもの。数字の基準があれば実績と比べられる。手順の基準があれば、やり方を変えた前後で比べられる。
よ く あ る 誤 解
| 縛るための決まり | 標準 | |
|---|---|---|
| 性格 | これ以外のやり方は禁止 | 今のところの最善 |
| 決めるもの | できることの上限 | 次に良くするための土台 |
| 変更 | 勝手に変えてはいけない | 変えるのが前提 |
| 結果 | 言われたことしかしなくなる | 常に改善を考えるようになる |
更新されていないということは、その間なにも改善されていないということ。
「もっと良いやり方が見つかった」と思ったら、その場で書き換えてよい。むしろ書き換わらない方が問題になる。
目 指 す も の
仕事の型を一つ持って帰る。型があれば、今日話していない業務に出くわしても、それが何のための作業か自分で置き場所を決められる。
第 一 部
見てもらう ── 行動してもらう ── 結果
結 論
一 段 目
問い — どうやって、知らない人に届くか
| 手段 | どう見てもらうか | 何で買っているか |
|---|---|---|
| SEO | 検索したときに記事が出る | 時間(記事を書く手間) |
| 広告運用 | タイムラインに広告が出る | お金 |
| サービスHP | サービス名で検索したときに出る | 時間 |
| SNS運用 | 投稿が流れる 現在停止中 | 時間 |
PV / UU / Imp — 何人に見てもらえたか。
同じ「見てもらう」でも、時間で買うか、お金で買うかが違う。広告だけ性質が違うのは、ここに理由がある。
二 段 目
問い — 見た人に、次に何をしてもらうか
いきなり「登録してください」では誰も登録しない。見た → 興味を持った → 詳しく読んだ → 登録したと、少しずつ行動が重くなっていく。
だから途中で何人落ちたかを見る必要がある。
クリック数 / LP到達 / LINE追加 / 個人情報登録数
見ただけでは何も起きない。行動してもらって初めて、こちらから接点が持てる。
三 段 目
個人情報登録数
行動してもらった数が積み上がったものが、そのまま目標になる。
その先は DM が電話し、サービス利用につながる。マーケが責任を持つのは登録数まで。
登録数 +1 は、就活に困っている大学三・四年生が一人、自分に合う企業に出会う機会を得たということ。
歩留まりが一ポイント落ちているのを見逃すと、その機会に届かなかった学生が毎日積み上がっていく。
当 て は め る
当 て は め て 見 え た こ と
| 段階 | 項目数 | 中身 | |
|---|---|---|---|
| 一 | 見てもらう | 15 | 記事執筆 / キーワード調査 / リライト / 順位チェック / 技術改善 など |
| 二 | 行動してもらう | 5 | バナー作成・配置 / LPへの導線 / LINE導線 / 診断コンテンツ |
| 三 | 結果を見る | 2 | 集計 / レポート |
「記事をもっと書こう」という判断になりやすい。だがそれは、多い方をさらに増やす動き。
薄いのは「行動してもらう」側かもしれない。五項目しかない。
この視点は、項目を並べているだけでは出てこない。型に当てはめて初めて見える。
な ぜ 型 か ら 入 る か
七十八項目はいま分かっている業務の一覧にすぎない。実際には載っていない業務が必ず出る。
「これは見てもらう側か、行動してもらう側か」で判断できる。
| 覚える量 | 七十八項目 → 三段と適用例 |
| 改善の起点 | どこを直すか分からない → どの段が薄いかで分かる |
第 二 部
お金を使うこと ── それだけ
広 告 と は 何 か
画像を作る、入稿する、タグを貼る — これらはすべてお金を正しく使うための手段。手段を完璧にやっても、配分を間違えれば結果は出ない。
S E O と の 違 い
時間をかけて買う
| 効果が出るまで | 数ヶ月 |
| 止めたら | 記事は残る |
| 払うもの | 記事を書く手間・期間 |
お金で買う
| 効果が出るまで | その日から |
| 止めたら | その瞬間にゼロ |
| 払うもの | 金額 |
どちらも「見てもらう」を買っている。支払うものが違うだけ。広告は払った額に比例して出るため、「いくら払うか」の判断が、そのまま結果を決める。
基 準 の 作 り 方
予算も目標登録数も月ごとに設定し直すため、目標CPAも毎月変わる。
「一件◯円以下ならOK」という数字を覚えても意味がない。毎月この計算をやり直す。
就活の時期で広告の単価相場は動く。だが目標CPAは自分たちの予算と目標から決まるので、相場の影響を受けない。
「今月は相場が高いから仕方ない」で上限を緩めない。相場が高いなら、その中で目標CPAに収まる媒体へ寄せる。
見 る 周 期
| 周期 | 何で見るか | 判断すること | |
|---|---|---|---|
| 日中 | 常時 | 登録の通知 集計が更新されないので数字では見られない | 異常を感じたら確認 止める・再開する |
| 日次 | 一日一回 | 集計 | 目標ペースに対してどうか |
| 月次 | 月一回 | 媒体ごとの実績CPAと学年 | 配分の決め直し クリエイティブ入替 |
CPAを理由にした予算配分の変更。日中は正しいCPAが出ないため、体感で配分を動かすと根拠のない判断になる。
配分は日次以降の集計を見てから決める。日中にしてよいのは、明らかな異常への対処だけ(配信停止・極端な消化・登録が全く来ない)。
判 断 の 手 順
一・二・三・五が急所。省略すると判断そのものが成立しなくなる。
急 所
登録数が多い媒体は、単に多く出稿しているだけの場合がある。
数で判断すると、効率の悪い媒体に予算を積み増すことになる。
安く取れていても、対象外の学年ばかりなら意味がない。
DMが電話してもサービス利用につながらず、費用だけが出ていく。一件あたりが安く見える媒体ほど、ここを確認する。
※ 上の数字は説明用の例であり、実際の実績ではない。
判 断 表
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 目標CPAを下回っている + 学年も合っている | 予算を増やす |
| 目標CPAを超えている / 学年が合っていない | 予算を減らす・止める |
| 目標CPA内だが上がってきている | クリエイティブを入れ替える |
単価が上がったときに予算を減らすのは間違い。原因はクリエイティブの疲弊であって、金額ではない。
金額を減らしても単価は下がらず、登録数だけが減る。
広告は同じ設定のまま放置すると、だんだん高くなる。同じ人に何度も表示されて反応が鈍るため。目標CPA内でも上がり続ければいずれ超えるので、超えてから動くのでは遅い。
二 十 三 項 目 の 扱 い
| 分類 | 項目 | 扱い |
|---|---|---|
| 判断 | 予算配分 / 停止・再開 / 日次調整 | 標準書 一枚 |
| 作る | 広告画像 / 動画 / 広告文 / 差し替え | 手順のみ |
| 設定する | 入稿 / 配信面 / ターゲティング / フォーム | 手順のみ |
| 計測する | タグ設置 / CV計測 / 計測確認 | 手順のみ ただし止まると判断できなくなる |
| 報告する | 数値確認 / CPA管理 / レポート | 集計業務に含まれる |
| 事務 | 媒体担当者とのやり取り / 請求 | 手順のみ |
二十三項目を二十三枚書く必要はない。判断が一つなら、標準書も一枚で足りる。
第 三 部
手順ではなく、判断できる材料を
資 料 の 形
手順書に載っていないケースは必ず出る。そのとき「この業務の目的は何か」から逆算できるかどうかで、止まるか動けるかが決まる。
書 き 換 え る と き
序でやったとおり、標準は変えるのが前提。では実際、どういうときに書き換えるか。
| 起きたこと | どうするか |
|---|---|
| 資料に無いやり方を試して、効いた | やり方の一覧に足す |
| 試して、効かなかった | 効かなかった条件つきで足す |
| 実態と資料が食い違っていた | 実態に合わせて直す |
| 誰かに口頭で説明した | その内容を資料に足す |
効いたものだけ載せると、次の人が同じ外れを引き直す。「この条件では効かない」が積み上がると、打つ前に候補を減らせる。
書き方は三点で足りる。やったこと / そのときの状況 / 結果。「LPの一番上を◯◯に変更 / 登録率が五%のとき / 変化なし」くらいの粒度でよい。
同じ質問が二回来たら、それは資料が足りていないということ。答えて終わりにせず、資料に戻す。
今 日 の 四 点
補 足
広告の実数 — 月間予算・目標登録数は月ごとに変わるため、資料には書かない。毎月その場で計算する。
決裁の範囲 — 総額の変更・新規媒体の追加がどこから承認かは未確定。
広告二十三項目 — 実態との照合が未了。やっていない項目が混ざっている可能性がある。